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ウェットスーツを脱ぐ際に、破れたり裂けたりした事はありませんか?
ウェットスーツを着慣れない初心者の時は爪で切ったりすることも。
今回は過去に例を見ないほどの裂け目を作ってしまいました…。
買い替えも検討時期でしたが「リペア(修理)依頼」も「新規オーダー」も時間がかかるし、『今週末の海にも間に合わせたい!』ということで、過去一番ひどい裂け目を自分で直す「セルフリペア」に挑戦します。
この記事では、ウェットスーツの修理方法を解説していきます。小さな破れや裂け目なら、セルフリペアすることでウェットスーツの寿命をのばして節約することができます。
こんなひどい裂け目でも、「使える程度」には自分で直せるのでぜひ挑戦してみてください。
ウェットスーツの修理 用意したもの
先にリストをお見せします。詳細はリスト下部に続きます。
- ウェットボンド(商品名:ナショナルボンド)
- 爪楊枝
- メルコテープ
- アイロン ※メルコテープ接着する場合に使用
- 裁縫道具 ※完全に裂けているため使用
①ウェットボンド(商品名:ナショナルボンド)
ウェットスーツのネオプレーンを貼り合わせるボンドで、軽度な修理はこれ1つあれば事足りるケースがほとんどです。
ナショナルボンドは、ネオプレーン製品専用の「合成ゴム系接着剤」です。ウェットスーツと同じネオプレーン素材なら他にも使用できます。ボンドの色は黒色。ドロッとした液状で固まった後の伸びが良く、ウェットの着用感が損なわれません。
このほかウェット素材に使える「ウレタン接着剤」という透明な接着剤もあります。ネオプレーン・ナイロン・皮革・ラバー・ビニールなど、いろんな素材に使用できますが、乾いたときに硬くなる性質があるので、素材の伸びが重要なウェットスーツには不適です。
ウェットスーツにはネオプレーン製品専用で伸びが良い「ナショナルボンド」一択ですね。
②爪楊枝
ウェットボンドを塗るときに重宝します。
チューブから直接ボンドを塗ろうとすると、想定以上の量ではみ出したり乾きにくかったりと後が大変に。爪楊枝などに少量つけて修理箇所に塗ったほうが細かい作業が出来ます。
綿棒は抜けた毛がボンドに付着してしまうことがあるので非推奨。
③メルコテープ
ウェットスーツの裏地をメルコテープ(シームテープ)で補強します。メルコテープはウェットスーツ生地の接着箇所や縫い目の補強に使います。防水で熱が加わることによって貼り付けられるテープで、ズボンの裾上げテープの要領でアイロンで簡単に貼り付けられ、ウェットスーツ生地にしっかり張り付きます。
※裏起毛などジャージ素材以外への接着強度は低下します。これにより剥がれや浸水リスクは上がります。
※メルコテープはウェットスーツ用に伸縮性のあるものを選びましょう。
④アイロン
メルコテープを熱で貼り付ける際に使用します。中温程度であて布をすると良いでしょう。
高温使用はウェットの素材にダメージを与えかねないので細心の注意を。
⑤裁縫道具
今回は裏地まで裂けており、修理箇所のサイズが大きいので、ウェットスーツ裏地側で浅く縫い合わせ補強します。
ウェットスーツ修理(リペア)の手順
修理の前準備として、ウェットスーツは塩分や砂などの汚れを落とし、風通しのよい日陰などで完全に乾かしましょう。
汚れや濡れたままでは完全な修理はできません。
①ウェットスーツ傷口にボンドを塗り込む
傷口の断面に、ウェットボンドを爪楊枝や竹串を使って塗り込みます。
この後に縫ったり貼ったりしますが、このボンド工程が最重要です。
ポイントは一度に塗りすぎず、まんべんなくムラなく塗り込むことです。
ポイント
①ウェットスーツのリペアボンドは乾いて(ゴムを溶かしてから)からが接着タイミングです。
普通の接着剤は「塗ってすぐ」なので、間違えないように。
②ボンドが塗れていない箇所があると、そこからウェットスーツが切れてしまいます。
③一度に厚く塗りすぎると乾かず、接着しない原因になります。
ボンドを塗って乾燥させるため、10分程度は傷断面を開いておきます。
※環境により時間は前後します。温かい部屋なら2~3分でボンドが乾いていることも。
洗濯ばさみで挟んでおくと、傷断面を開いたままにしやすいです。さらにボンドは二度塗りすることで強く接着することが出来ます。
同じくボンドが乾くのを待ちます。
②慎重に生地を貼り合わせ 指でつまんで圧着
ボンドが乾いたら、ずれたり段差ができないよう慎重に生地を貼り合わせます。
※写真はこの後に縫うため裏側ですが、表側にして貼り合わせるのがオススメ。
ぴったり生地を貼り合わせたら、接着部を指でつまみ圧着します。何度もつまむより、ギューっと1ヶ所ずつ数秒時間をかけて圧着します。
ポイント
ウェットスーツの表側で貼り合わせると、接着面のズレが減り見た目がキレイに直しやすいです。
接着後のウェットスーツ使用は24時間経過後がオススメです。
充分な時間が経っていないと使用中に修理箇所が剥がれる可能性が高くなります。
③ウェットスーツの裏側で縫い合わせる
ウェットスーツの表面だけの傷であれば、ボンドで圧着した手順まででリペアは終了となります。
今回は広範囲で裏地まで達している裂け目なので、ウェットスーツ裏地側で浅く縫い合わせ補強します。
スキンには小さいとはいえ穴を開ける行為なので、傷と縫い穴が近すぎて裂けないよう注意してください。
④ウェットスーツの裏側にメルコテープを貼る
更に補強としてメルコテープを貼って修理します。テープの角は丸く切っておくことで、使用時の摩擦による角からの剥がれを予防します。
メルコテープを熱で貼り付ける際にアイロンを使用します。『中温』程度(120~130℃位)であて布をすることで、ウェットスーツの素材に与えるダメージを抑えています。※低温からはじめて接着具合を見て中温にするのもよいでしょう。
チェックポイント
ウェットボンドで修理箇所を接着した場合、1日以上置いてからメルコテープを接着するように。ボンドの接着に影響する恐れがあります。
縫わない場合は、ボンドで圧着後にメルコテープを貼る手順で完了です。
ウェットスーツの脇や股下など裏地に最初からメルコテープが貼ってあることもありますが、それが剥がれた場合の交換としてもよいですし、ウェットの繋ぎ目の軽度なリペアや今回の様なリペアにも役立ちます。
チェックポイント
メルコテープはウェットスーツ用に伸縮性のあるものを選ぶ。
裏起毛などジャージ素材以外への接着強度は低下する。これにより剥がれや浸水リスクは上がる。
修理を依頼すべきケース
修理を依頼すべきケースとしては、パーツの交換や特別なスキルを求められる以下のような場合です。
- ファスナーの故障
- 肘や膝パットの剥がれ
- 首や手首・足首など頻繁に伸ばす部分の生地の劣化
- 生地パーツと生地パーツの分裂
ここまでの壊れ方は頻繁に海に入っている方でなければ、そうそう無いかと思います。こういったケースは素直に修理依頼をオススメします。
ウェットスーツ修理(リペア)のまとめ
ウェットスーツのリペア(修理)は意外と簡単に出来ます。
今回は捨てるか悩むほどの大穴を、セルフリペアで見た目はともかく使用できるレベルにしました。
もちろん、リペア工場や販売店・ウェット会社に修理依頼したほうが仕上がりは確実だと思います。
見た目や仕上がりに拘らないのであればリペアキットも安く買えるので、ぜひ自分で挑戦してみましょう。