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冬サーフィンは上達のチャンスです。寒い冬は、海に入るサーファーの数が減り、波に乗れる数が増えます。
本当にサーフィンが好きで年中海に入っている人はいますが、それでもハイシーズンに比べたら明らかにサーファーの数は少ないです。
寒い気温、冷たい水。それでもサーフィンがしたくて、この記事にたどり着いたあなたに『冬サーフィンについて』と『防寒対策』をご紹介。「サーフィンがもっとしたい」「うまくなりたい」と思うあなたの助けになれば幸いです。
冬サーフィンのメリット オススメの理由
冬の海はサーファーが少ない
【冬の海はサーファーが少ない。つまり波に乗る数が増える】
冬サーフィンをオススメする最大のメリットはこれに尽きるでしょう。
サーフィンは波に乗ることで上達します。乗った数に比例して上達が早まります。これは動作の反復により成功体験や失敗からスキルを獲得するためです。
たくさん波に乗れるからこそ、冬サーフィンがオススメと言えるのです。
また、冬の期間に海に入らないと、サーフィンをする期間は大きく減ってしまいます。セミドライやドライスーツを着用する期間を冬だとするなら、南東北で考えると11月~5月くらいが冬です。
つまり1年の半分は冬用ウェットスーツでサーフィンをするわけです。この期間にサーフィンをするかしないかの違いは明らかですね。『冬サーフィンする人の1年』は『冬サーフィンしない人の2年』に相当するのですから。
冬の時期に良い波が立つエリアがある
日本海北部は基本的に夏はフラット、冬型の気圧配置で波が立つようになる事も。また、太平洋側でもウネリが反応する要素があるなら、冬型の気圧配置による風で面が整い良い波になる事もあります。
この時期だからこそサーフィンできるポイント、良い波を目指してトリップするのもオススメです。
冬の海を知る
死亡リスクのある症状だけでなく、手術によりサーフィンできなくなる、費用がかさむなど望みませんよね?冬サーフィンをする前に、冬の海について知識を入れて備えることが大切です。
冬サーフィンのメリットを享受し、楽しみながら上手くなるためにも次のことに注意しましょう。
海水温
気温(季節)の変化から海水温は1~2ヶ月程遅れて変化します。2~3月の水温が最も冷たく、ゴールデンウィーク頃は11月~12月の水温と同じくらいのイメージです。
水は【温まりにくく冷めにくい】という性質があります。外気温が暖かくなっても、すぐには海水温が上がってこないのです。
季節変動の位相としては、南西諸島近海を除くと、海面水温が季節的に最も高くなるのは8月後半から9月前半となっており、日本の地上気温が季節的に最も高くなる時期に比べて、半月以上遅れて現れる。一方、海面水温が季節的に最も低くなるのは、2月から3月頃となっており、日本の地上気温の季節変動に比べて、1か月以上遅れている。
引用:日本近海の海面水温 – 気象庁
画像引用:気象庁 海水温・海流の知識 > 海面水温
一言で冬の海と言っても、外気温が高くなり始める2~3月頃の水温が最も冷たいので、その時期に対応した温かいウェットスーツや防寒装備が必要です。
冬サーフィンの注意点
低体温症
「寒くて体が震える」のは分かりますが、低体温症が具体的にどんな状態かわかりませんよね。映画タイタニックで水に浸っている人々が徐々に静かになっていった記憶はありますが…
低体温症の段階は、①体の震え →②震えが止まる、動作が鈍くなる、昏睡状態になる →③心臓が停止 となります。次の引用で詳しく見てみましょう。
低体温症 症状
初期の症状には、体が激しくふるえる(シバリング)、歯がカチカチ鳴るなどがあります。体温がさらに低下すると以下のような症状がみられます。ふるえ(シバリング)が止まる。
動作が遅く、ぎこちなくなる。
反応までの時間が長くなる。
思考がぼんやりする。
判断力が損なわれる。
これらの症状は極めてゆっくり現れるため、本人も周囲の人も、何が起こっているのかなかなか気がつきません。転んだり、ふらふらとさまよったり、休もうとして横になったりすることもあります。ふるえ(シバリング)が止まったら、動作がますます鈍くなり、昏睡状態に陥ります。心拍や呼吸が遅く弱くなります。心拍と呼吸が非常に遅くなると、たとえ心臓が非常にゆっくりと拍動していたとしても、患者には生存の徴候(心拍動や呼吸努力がみられない)がないようにみえることがあります。最終的には心臓が停止します。
体温が低くなるほど、死亡のリスクは増大します。体温が約31℃°を下回ると死に至るおそれがありますが、死亡例の大半は体温が約28℃を下回った場合です。
引用:MSDマニュアル家庭版 低体温症
冬サーフィン中の震えを甘く見てはいけませんね。身体の冷えを防ぐには『防寒の装備』だけでなく、短時間で集中して多くの波に乗る(身体を動かし続ける)ことも大切です。
波待ちばかりでなく波を追いかけ続ける、乗ってピークに戻るためパドル回数を増やす。冷えを感じてきたら無理せず海から上がるようにしましょう。
チェックポイント
低体温症は【死亡のリスク】がある。
【震え】は生命維持の危険サイン。震えが止まると死への最終局面突入。
サーファーズイヤー
サーファーズイヤーとは、「耳の中の骨が変形して、最終的に耳が聞こえなくなる病気」のこと。
その原因は「冷水」と「冷たい風」による刺激を受け続けることと考えられており、冷たい水が耳の中に入ってくるのを防ごうとする身体の防衛反応とも言えます。
初期段階では症状が軽いため、あまり自覚症状がなく気付くのは難しいようです。「音が聞こえにくくなってきた」「耳に入った水が抜けにくい」と感じたら、サーファーズイヤーを疑ってみましょう。
耳の穴から鼓膜へと続いている外耳道がふさがれてしまうため、症状が悪化すると、耳垢が溜まりやすくなる、耳が聞こえづらくなる、炎症による痛みが出るなどの不調が現れます。
両耳を手術する場合には10万円ほどが一般的なようで、2~3日の入院が必要な場合もあります。サーフィン再開には2~3週間ほど掛かるため、ウェットスーツが必要な寒さでサーフィンをする方は、サーファーズイヤーの予防が大切です。
チェックポイント
サーファーズイヤーは手術を受けない限り治らない。
原因は「冷水」と「冷たい風」による刺激を受け続けること。
寒い時期、特に真冬のサーフィンではヘッドキャップや耳栓を使用しての予防がオススメ。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
サーファーズイヤー|症状が出るころには進行中!?耳栓・ヘッドキャップなどで予防が冬サーフィンはオススメ
冬サーフィンの防寒対策【必須とオススメ】
冬サーフィンは防寒対策が欠かせません。ウェットスーツをはじめ必須の装備から、より快適になるオススメ装備を紹介します。
【必須】ウェットスーツ
快適な冬サーフィンには、保温効果が高く浸水を最低限に抑えるウェットスーツが必須です。
基本的にはセミドライ、千葉北以北であればドライスーツも選択肢になるでしょう。値段も比例しますが、高性能なウェットスーツは基本性能の高さに加え素材に発熱などの機能もあり、その効果は見逃せません。
また、温かさや動きやすさを保つためにも冬用ウェットスーツはサイズも重要です。いわゆる『吊るし』と呼ばれる既製品よりも、自分の体に合ったサイズにオーダーで作るのがオススメです。
【必須】ブーツ
体は手足から冷えるのでブーツは必須アイテムです。ブーツ無しでは冷たい海水で足裏の感覚がなくなり、テイクオフやライディングに支障が出ます。温かく快適でサーフィンのパフォーマンス低下を防ぎ、冷え切ったビーチを歩く苦痛からも逃れられます。
足型成形などのフィッティングが向上するアイテムも出ていますので、快適な冬サーフィンに一役買ってくれるでしょう。
【必須】グローブ
エリアによってはグローブが不要な場合もありますが、ブーツと共に冬には欠かせないアイテムです。ブーツより薄手のグローブを使うこともありますが、水温や気温が低いと熱を奪われる感覚があるので、基本的には温かさを優先したグローブを購入しておけば間違いありません。
【オススメ】ヘッドキャップ
好き嫌いが分かれる所ですが、ドルフィンをして『頭がキーンとなる』なら間違いなくオススメです。冬の冷たい風や海水から頭や首、耳などを守ってくれるため、一度使うと手放せなくなるほど想像以上に快適な冬アイテムです。
ウェットスーツの首元から海水の侵入も減りますし、耳が隠れることでサーファーズイヤーの予防にも効果的です。
【オススメ】ウェットスーツの保温インナー
ウェットスーツの中に着る保温インナーです。セミドライや高性能ウェットスーツでない場合にも1クラス上の温かさに変ります。
【オススメ】着替えポンチョ
冬サーフィンがイヤになる瞬間は『海上がりの着替え』です。修行という生易しい言葉では心が納得できません。
ポンチョがあれば体全体を覆うため、冷たい風を防ぐだけでなく体の水分を素早く拭き取ってくれるので、着替えが快適になります。綿のタオル生地よりマイクロファイバーがより便利で快適です。
【オススメ】温水&ポリタンク保温カバー
個人的には【必須】カテゴリです。冷えた体で浴びるお湯は至福のひと時。
ポリタンク単体では折角の温水も冷えてしまいますので、保温カバーに加えて『50(~60度)』くらいの温水を入れておくのがオススメです。ちなみに私は夏場でも普段シャワーを浴びる温度のままポリタンクに入れて、快適な海上がりのお湯浴びにしています。
ポリタンクは大きいと重くて大変なので、小さ目(10ℓ位)を冬場は2個、夏場は1個で使っています。
【オススメ】タンブラー
冷えた体を内部から温めることも大切です。サーフィン前後のホットコーヒーは私の定番ですが、実はカフェイン入りの飲み物は運動前に適していないので、カフェインフリーでミネラル豊富な『麦茶、ルイボスティー、ローズヒップティー』などが良いようです。
冬の車内は数時間で冷え切ってしまうので、気温の影響を受けやすい保温性の低いタンブラーや小容量タイプはオススメしません。350~500㎖前後のタンブラーなら、普段も使いやすいです。
どうせ使うなら、機能だけでなく『見た目や質感』もこだわりたいですね。
【オススメ】ホットジェル
発熱作用のあるジェルで、ウェットスーツを着る前に塗ると体がポカポカ温まります。流れ落ちると効果が薄れてしまいますが、サーフィンの通常使用なら1~2時間は効果が持続していると感じます。
ハードとレギュラーがありますが、レギュラータイプで十分な効果を感じられます。
冬サーフィンの目的をはっきりさせる
冷たい水、寒い冬でも海に入るには、それを支える『心』も大切です。
寒い冬は布団から出るのも億劫で、まして冷たい海に入るには「なぜ海に入るのか」を明確にしておくのがオススメです。
「次の夏には友達よりうまくなっていたい!」
「空いた海のサーフィンは最高だから!」
「今日の波は良さそうだ!海に入らなかったら後悔する!」
理由は様々でしょうが、その想いが冷たい海でもサーフィンをし続けられるモチベーションになるでしょう。
まとめ
冬サーフィンは上達のチャンスです。波にたくさん乗れて上手くなるだけでなく、冬だからこその良い波に出会えることもあり、サーフィンの楽しみが広がります。
冬の海を知り対策をしっかりすることで、快適な冬サーフィンに変えましょう。